きょうは祝日「建国記念の日」。
実質は戦前の祭日「紀元節」(1948年廃止)の焼き直しで、天皇崇拝主義者や皇国史観の持ち主、右翼、皇室ファンの皆さんにとっては、「天皇誕生日」や「昭和の日」(前天皇裕仁氏の誕生日)と並ぶ大切な日のようです。
彼らによれば、今から2674年前のきょう、神武天皇が初代天皇として即位し統一国家日本が建国されたとのこと。 日本国の誕生日だというわけです。
それで、上の写真のような光景が毎年各地で繰り広げられます。
しかし、2674年前(=西暦紀元前660年)といえば縄文時代。 そんな時期に統一国家が成立していたはずのないことは、まともな人ならすぐ分かります。
さらに、邪馬台国(2世紀から3世紀にかけて存在)とヤマト王権との関係すら解明されていません。
現在学問的に分かっていることは、3世紀ないし5世紀頃に西日本を中心とした統一王権が存立したらしいということだけ。
「2674年前のきょう神武天皇即位日本建国」は、まったく学問的根拠はありません。
実は明治政権が、それまで死に体だった天皇を君主に担ぎ上げたことで、その神格的権威を高める必要が生じました。
そこでその方策の一つとして、「日本書紀」の神話的記載である「西暦紀元前660年2月11日神武天皇即位日本建国」を強引に事実とみなし、1873年に「紀元節」として祭日にしたのです。
その結果、冒頭に述べた天皇のことが大好きな人達が、それを歴史的事実として祝い、さらにこう自慢するようになりました、「日本は世界で最長最古の天皇を中心に戴く神の国である」と。
またそれが、戦前・戦時中、皇国史観や国粋主義、右翼思想、軍国主義の醸成を促し、無謀な戦争遂行の正当化を幇助することとなり、国民を苦しめました。
こうした凶悪犯としての前科を持つ「紀元節」の復活版が、「建国記念の日」なのです。
また先に述べたように、学問的に日本建国の経緯はよく分からないというのが本当のところです。
実際は、国の誕生日など分からなくても何の不都合もありません。 「建国記念の日」は廃止すべきです。
( と、こんなことを書くと、また右翼や右寄りの皆さんから怒りのクレームが来るかも知れませんが。)
なお、前回の記事(1/27)も関連しているので参照ください。
http://ameblo.jp/hirai-h/entry-11759192320.html
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