竹田恒泰氏 (1975.10.24- )
日本の建国(古事記・日本書紀の神話部分)について講義する竹田恒泰氏
竹田恒泰(たけだつねやす)氏。 最近、テレビの「たかじんのそこまで言って委員会」という番組(読売テレビ制作 関東地区以外のほぼ全国で放映)でこの人物をよく目にしませんか。 準レギュラーのコメンテーターとして出演しています。
以前にも書きましたが、この人物、日本オリンピック委員会会長の竹田恒和氏の長男で、明治天皇の玄孫(孫の孫)にあたり、目下、天皇崇拝国粋思想の伝道師として売り込み中です。 作家兼慶応大学非常勤講師(天皇と憲法論)という肩書も持ちます。
昨年設立された 「日本国史学会」の幹部で保守論客の大御所小堀桂一郎氏や中西輝政氏の部下としても活躍しています。
また、「竹田研究会」なるものを全国各地で開催して講演し、またネット上でもニコニコ動画「竹田恒泰チャンネル」などを利用してその思想を喧伝しています。 その上、彼には腰巾着やお先棒担ぎが多数おり、支援を受けています。
彼は旧皇族の子孫という家系を持つ資産家の典型的な苦労知らずのお坊ちゃんで、家柄を笠に着た尊大・不遜な性格、特権意識、差別意識丸出しで、人への思いやりの欠如という人格上の決定的な欠陥があります。 これでは支援者も使い捨てられるだけでしょう。
その竹田恒泰氏が喧伝する天皇崇拝国粋思想の要点は次のようなものです。
日本は、紀元前660年神武天皇により建国され、以降万世一系の天皇を中心として栄える世界で最も歴史ある国家だ。 つまり天皇の存在があってこその日本であり、皇室の存在は日本の伝統や文化そのものである。 皇室の存続・維持・拡大は何よりも重要な政治課題であり、早急に対応策(皇室典範の改正等)をとるべきだ。 日本が行なった日清・日露・大東亜戦争(アジア・太平洋戦争)は全て正義の戦いで、アジアを西欧の植民地支配から解放したのだ。 大戦末期の特攻作戦もやむなく必要な戦法だった。 それがなければ今の日本はない。 日本が戦った戦争は何も断罪される理由はない。 極東国際軍事裁判(東京裁判)の判決は全て間違っている。 日本の軍人や政治家に戦犯は存在しない。 天皇に戦争責任はない。 靖国神社は、東京裁判でのA級戦犯を合祀しても、英霊のため唯一の慰霊施設であり、首相や天皇が参拝するのは当然だ。 それを中国や韓国・北朝鮮に非難されるいわれはない。 日教組や多くのマスコミは、こうした考えに反対し国民を反日に洗脳する売国奴的存在だ。
以上のような思想が、日本の世界での孤立を招き、日本の将来を危うくすることに思い至らないのが、竹田恒泰氏の独善的な愚昧さを示しています。 また彼がもたらす最大の害毒です。
さらに竹田恒泰氏は、「Voice」、「正論」、「Will」 等保守系月刊誌に登場する論客、渡部昇一、田母神俊雄、櫻井よしこ、西部邁、八木秀次、西尾幹二・・・・・・等々 こうした保守系右派勢力にとって非常に都合の良い使いやすい便利な人物でもあります。
天皇を核とする国家体制を構築し、天皇の威光を楯に戦前のような社会に戻す。 治安維持法、不敬罪、思想・信条の自由の制限、言論・表現の自由の制限、軍国体制の導入等々、そうした狙いに合致するのが「竹田恒泰」なる男。家柄経歴とも申し分なく口も達者となれば、これほどの適任者は他にいない。
こうした勢力にヨイショされ、いい気になってはしゃいでいるのが「竹田恒泰」という愚劣な人間です。 決して彼の口車に乗せられてはなりません。
© 2013 HIRAI HIROAKI