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日銀の追加金融政策と円安について

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昨日(10/31)午後、予想外のニュースが飛び込んできました。
日本銀行が金融政策決定会合で、昨年四月の大幅金融緩和(通称「バズーカ砲」または「異次元緩和」)に続く追加金融緩和策を実施を決め、午後二時に発表したのです。
     
折しも米国では、逆に十月をもってFRB(米連邦準備制度理事会)が量的金融緩和(QE3)を終了させました。 そのため日米の実質金利の差がさらに拡大、円安に拍車がかり、ドルが109円から112円に急激に上昇、年内に120円という声も聞かれます。

昨日(10/31)15:30から、日経CNBCで生放送された日銀黒田総裁の記者会見    

 


テレビで会見を見ていると、黒田日銀総裁は理路整然と答弁し終始上機嫌でしたが、今回の追加金融緩和は、逆に日本経済にとって、効き目がないばかりか、弊害をもたらすのではないかという懸念を私は抱きます。
事実日銀内でも、5人対4人という僅差の決定で、今回は反対意見で拮抗したのです。 日銀内だけでなく、他のエコノミストも多くが懸念を表明しています。
    
日銀としては、十二月に迫った消費税再増税の政府決断に配慮し、今漂っている消費支出の低迷等の景気停滞感を「サプライズ緩和」で払拭して増税を支援することを、政府と阿吽の呼吸で行なったのでしょう。
特に、原油価格の急低下等によるデフレマインドの復活を妨げるために、円安誘導し一段とコストプッシュインフレを生じさせることが大きな目的だと思われます。
1%に落ち込んできた期待インフレ率を2%にするために、実体経済にかかわらずに何でもやるという姿勢が透けて見えます。
たしかに短期的には、金融緩和で恩恵を受ける企業の株価を大幅上昇させ、株式市場に明るいムードを醸成させるでしょう。 なにしろ安倍政権は株価が重要な生命線ですから。
  
しかし、長期間金融緩和による円安が続けば、日本経済の潜在成長力がさらに押し下げられることになります。
これまでも、全原発を停止させたままにするというバカげた政策でエネルギーコストを著しく上昇させ、さらに円安で輸入コストの上昇を招き、それらが生産性を阻害し、日本経済の潜在成長率を引き下げてきました。 実質賃金の低下や、景気停滞の真の原因はそこにあります。
今回の金融緩和による円安は、それをさらに悪化させる恐れがあります。
今本当に求められるものは金融緩和や円安ではなく、潜在成長率を引き上げる政策、例えば、エネルギー制約の解消、産業規制の緩和・撤廃、労働市場の規制緩和、新技術の開発等、供給側の改革であり需要側ではありません。
    
いまや日本は貿易赤字国です。 製造業は多くが海外に移転しており、円安の進行は、輸出増加に繋がらないばかりか、国内企業特に中小企業にとっては、輸入原材料やエネルギーのコストを上昇させ収益悪化に働きます。
もはや、昔の図式「金融緩和 ⇒ 円安 ⇒ 輸出企業好業績 ⇒景気拡大・ 経済成長」は当てはまらないのです。




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2014 HIRAI HIROAKI  無断転載禁止



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