靖国神社の神門に付けられた天皇家の巨大な家紋。 天皇のために戦死した者だけが祀られることを示しています。 そのため、明治維新の最大の功労者でありながら、後に明治政府(天皇)に反抗し西南戦争で戦死した西郷隆盛は祀られていません。
中門鳥居と拝殿
「遊就館」 靖国神社に付属する戦史博物館です。日本の戦争の美化と正当化、そして感傷的気分の醸成に目的があり、残酷さや悲惨さ、反戦の考えは全く伝えようとしていません。 大東亜戦争(アジア・太平洋戦争)について、「軍事的には負けたが、あの戦争は正しかった」という歴史観を押し付けるような展示がなされています。
「ゼロ戦(零式艦上戦闘機)」 遊就館の目玉展示の一つ。先の大戦で最も大量に生産され活躍した戦闘機。 しかし戦争末期には神風特攻の主力機として使われ、多くの搭乗員の命を奪うことになりました。
最近、宮崎駿氏のアニメ「風立ちぬ」や、百田尚樹氏の小説と映画「永遠の0ゼロ」でも、この戦闘機が話題になっています。 ただ両氏の戦争に対する考え方は全く異なります。百田尚樹氏は靖国神社と遊就館が大好きなようです。
東條英機氏 東京裁判によりいわゆるA級戦犯として処刑された同氏は、天皇・国家に忠誠を尽くした結果での刑死ということで、1978年に松平永芳宮司の最終判断で他のA級戦犯13名と共に靖国神社に祀られました。
軍服姿の昭和天皇裕仁氏 この男のために「本心から」命を捧げ靖国神社に祀られることを望んだ兵士など果たしていたのでしょうか。
昭和天皇裕仁氏 多くの兵士が彼への忠誠を強要され、「天皇陛下万歳」のもと理不尽な死を強いられました。 本来靖国神社の主役たるべきこの裕仁氏ですら、靖国神社の愚劣さを知ってからは、戦後数年おきに行なっていた参拝を1975年を最後に取り止めました。 さらに現天皇明仁氏も一度も参拝していません。
靖国神社について、前回(12/30)の記事でこう書きました。(http://ameblo.jp/hirai-h/entry-11739223730.html )
“戦前から靖国神社は、戦没者を慰霊するための宗教施設なんかでは全くなく、擬似的宗教色を漂わせた「軍事施設」でした。 天皇のために安心して戦争で死ねと国民をそそのかし、日本の軍事行動を美化・正当化するために徹底的に活用されてきたのです。
従って敗戦時に、靖国神社も、他の軍事施設や兵器類と同様に廃棄処分すべきでした。(実際当時焼き払う計画もあったようです。)”
ならば靖国問題の最良の解決法方は、今からでも靖国神社を取り潰し消滅させることではないでしょうか。 本来主役であるはずの天皇ですら、参拝を忌避する靖国神社に存在意義があるとは思えません。
© 2014 HIRAI HIROAKI