零式艦上戦闘機(ゼロ戦) 現存する飛行可能な貴重な機体。(米国所有)
零式艦上戦闘機、通称ゼロ戦、大東亜戦争(アジア・太平洋戦争)中、最も多く生産され戦争初期にはその優秀な性能で大活躍するものの、一方では多くの人命を道連れにして奪いそれと共に消えた悲しみに満ちた航空機です。
特に戦争の末期には神風特攻隊の主力機として使われ、搭乗員もろとも敵艦船に体当たり自爆を敢行するという残酷な運命を負わされました。
最近、このゼロ戦とその設計者堀越二郎を題材にした映画作品が二つ制作されました。
一つは宮崎駿のアニメ「風立ちぬ」(公開中)、もう一つは百田尚樹の小説「永遠の0(ゼロ)」を映画化したもの(12月21日公開予定)。
「風立ちぬ」は、初期の「風の谷のナウシカ」などに比べれば感動も薄く平板な作品。 宮崎作品の中では最低の出来と言わざるを得ません。 ただし反戦平和への思いは込められています。
他方「永遠の0(ゼロ)」は、原作の小説を読んだ限りでは、単なる戦争美化、お涙頂戴の駄作B級映画になることは容易に想像がつきます。
百田尚樹はかねてより、日本の戦争の正当化や自虐史観撲滅、韓国・中国の排撃に躍起になっており、言わずもがなといったところでしょう。 (敬称略)
© 2013 HIRAI HIROAKI