坂口安吾(さかぐちあんご)1906.10.20ー1955.2.17 48歳没
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今回も前回に引き続き、小説家坂口安吾です。
彼の随筆に「特攻隊に捧ぐ」(1947年執筆)があります。 当初占領軍(GHQ)により発禁処分となりました。 今は普通に入手できますので、ぜひお読みになってください。
その中に、特攻隊にする称賛と敬意と愛情とに満ちた次のような文章があります。
『 私はだいたい、戦法としても特攻隊というものが好きであった。人は特攻隊を残酷だというが、残酷なのは戦争自体で、戦争となった以上はあらゆる智能方策を傾けて戦う以外に仕方がない。特攻隊よりも遥にみじめに、あの平野、あの海辺、あのジャングルに、まるで泥人形のようにバタバタ死んだ何百万の兵隊があるのだ。戦争は呪うべし、憎むべし。再び犯すべからず。その戦争の中で、しかし、特攻隊はともかく可憐な花であったと私は思う。』
『 強要せられたる結果とは云え、凡人も亦かかる崇高な偉業を成就しうるということは、大きな希望ではないか。大いなる光ではないか。平和なる時代に於て、かかる人の子の至高の苦悩と情熱が花咲きうるという希望は日本を世界を明るくする。ことさらに無益なケチをつけ、悪い方へと解釈したがることは有害だ。美しいものの真実の発芽は必死にまもり育てねばならぬ。』
『 青年諸君よ、この戦争は馬鹿げた茶番にすぎず、そして戦争は永遠に呪うべきものであるが、かつて諸氏の胸に宿った「愛国殉国の情熱」が決して間違ったものではないことに最大の自信を持って欲しい。
要求せられた「殉国の情熱」を、自発的な、人間自らの生き方の中に見出すことが不可能であろうか。それを思う私が間違っているのであろうか。』
熱心に攻撃の計画を練る特攻隊員たち
特攻機を背景に記念写真に納まる隊員
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戦時中、特攻隊基地の町、鹿児島県知覧で食堂を営み、特攻隊員たちの面倒を見ていた鳥濱トメさん。 隊員たちから母親のように慕われます。
出撃する特攻機の見送りを続け、検閲逃れのため隊員から内緒で預かった手紙を代わって投函したり、出撃する隊員たちのようすを自らも手紙に綴り家族のもとへ送り続けたりしたそうです。
過酷な運命の中での、隊員たちの屈託のない笑顔には、かえって胸が詰まります。
出撃前のひととき、残された命は後わずかなのに、
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特攻機(陸軍四式戦闘機「疾風」) に乗り込む隊員
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出撃する特攻機(陸軍四式戦闘機「疾風」)。 右主翼下 通常は追加燃料タンクを取り付ける個所に250㎏爆弾を吊り下げている。
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米戦艦「ミズーリ」に体当たり突入寸前の特攻機(写真左上)
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特攻で被害を受けたにも関わらず、戦艦「ミズーリ」の艦長は周囲の反対を押え、特攻隊員の勇猛果敢な殉国の精神に敬意を表し、海軍式に手厚く遺体を水葬にして弔うことを決めました。(あくまで極めて希な例です)
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被弾し猛煙を吐きながらも米空母「エセックス」に体当たり突入を試みる特攻機
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敵の迎撃戦闘機をくぐり抜け、敵艦隊にたどり着いても、艦船からの猛烈な対空砲火で次々に撃墜される運命が待っていました。
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米空母に突入する特攻機
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特攻機が米空母「エセエックス」に激突し爆発した瞬間
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体当たり攻撃を受け、航空甲板の消火作業で混乱する米空母
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特攻攻撃を受け炎上し猛煙をあげる米空母
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すさまじい弾幕をくぐり抜け、敵艦にまっしぐらに向かう特攻機
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特攻隊の活躍と戦果を一面大見出しで伝える当時の新聞。 (中でも「朝日新聞」が戦争翼賛に最も熱心だったようです。)
しかし戦果としては、最大の狙いであった米正規空母は、結局一隻も特攻によって沈めることはできませんでした。
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建前上は、特攻隊員は「天皇陛下万歳」と叫びつつ、「天皇のために命を捧げ」、英霊となって「靖国神社」へゆくことにになっていました。
しかし実際は、避けられない死を目の当たりにして、そんな愚かしいことを考えた特攻隊員はいなかったでしょう。 みんな愛する父母や妻子の安寧を祈り、それを育んだ祖国日本の繁栄を願って死地に赴いたに違いありません。
戦前・戦中は、この優柔不断世間知らずの無能なボンクラ男「裕仁」を、こともあろうに神として崇めることを強要し、老練狡猾な連中がそれを利用して国を治める体制が敷かれていました。それが当時「国体」と呼ばれた国家統治体制の本質でした。 それゆえ終戦に際しては「国体護持」が必須の条件となり、その保証を米国から取りつけることに固執。 結果、絶望的状況のまま戦闘が長期化し膨大な犠牲を生みました。
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坂口安吾の特攻隊への特別な思いには、私は特段異論はありません。 たしかに、汚泥のようなみじめな戦争の中では、彼の言うように「可憐な花」のように見えたことでしょう。
ただ、そのような特攻作戦に頼り切りそれを拡大させた当時の天皇裕仁を含む指導層の拙劣無能さは、今後も解明を続け責任を明らかにすべきです。
そしてよくあることですが、特攻隊をお涙頂戴の感傷的物語として描くのは、絶対やってはならないことだと思います。
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