冒頭の写真作品に写る本の著者、渡部昇一氏(84歳)は、右派保守論客の大御所として著名な学者(上智大名誉教授、英文学者、評論家)です。 かつ私の軽蔑すべき学者の代表格でもあります。
またこの写真かと呆れる人もいるでしょう。 確かにもう五回は登場しています。
ただ、9月11日の記事《 私の写真作品 特に気に入っている一枚 》の続編として、生涯に撮った写真の中で最も思い入れのある作品、さらにこのブログの趣旨をズバリ示す画像として改めて載せたいと考えました。
撮影機材:ニコン COOLPIX S8100
この一枚を得るために尋常でない緊張感を経験しました。 昔なら確実に「不敬罪」という犯罪になる行為を、まさに天皇の住居の前で、衆人環視の中で行なう、冷や汗ものです。
場所が場所だけに、警備する複数の警察官の険しい視線を浴び続けました。 天皇賛美本(後述)のカバー(そこには天皇家の家紋「菊花紋章」が印刷されている)を踏みつけて破り、納得の画像を得るための準備と百カット以上の撮影に三時間も怪しげな行動をする。 不審者と疑われるに違いない、すぐ近くに警察官詰所もある。
さらに、一般の見学者からの訝し気な眼差し、好奇の目、狂信的な天皇崇拝者や強面の右翼の輩がいないかに怯えました。
と同時に、滑稽さも感じました。 直立不動で皇居に向いて敬礼したり、深々とお辞儀をする人たちがいる一方で、真反対のことをしている自分のいる光景に。
意図して皇居前で「菊花紋章」を踏みつけ引き裂き、わざと傾けて撮影した画像。 撮影した百カット余りの中から最良のものを選んだのですが、踏みつけた足跡がはっきり写らなかったのが悔やまれます。
戦前なら、展示を拒否されたか、展示できても不敬罪で主催者もろとも官憲に捕まりひどい目に遭わされ、さらに「非国民」と周囲から罵られたでしょう。
展示会場では、花鳥風月に親しむ美しい系の写真が多い中、一品だけ趣きの違うこの特異な写真に、結構多くの人が長時間足を止めて、しげしげと観察するように見てくれていました。
この渡部昇一氏、1980年に「週刊文春」誌上の連載エッセーで、小説家大西巨人氏に対し、息子二人が血友病であり高額な医療費助成がなされていることにかみつき、「第一子が遺伝病であれば第二子を控えるのが社会に対する神聖な義務ではないか」と主張し、大きな論争を巻き起こしました。⇒ http://www.livingroom.ne.jp/db/h003.htm
過去にナチス・ヒトラーが行なった優性保護政策(=障害者や悪性の遺伝形質を持つ者を抹殺・強制断種する)を肯定的に評価できる面もあると主張する、とんでもない御仁です。
最近は老齢のせいか、理論的な思考を欠いた情緒的な言説が目立ちます。
この本でも結局、同氏は、皇室の尊いことが自明の理や公理であるように捉え、むしろその結果として、天皇が神話時代にも遡れる男系の万世一系で、現在まで一度も途切れず世襲されてきたと言っているに過ぎません。(なお「万世一系」は、そもそも歴史学的にも科学的にも立証不可能で、信じたい者が信じているだけ、という性質のものです。)
要は、皇室は尊ぶべきものだという独断的思い込みを書き連ねるのみで、肝心の 「なぜ尊いのか」の「なぜ」の証明が全くなされていないのです。
あまりにくだらない本だったので腹立たしくなり、それにふさわしい場所=皇居前で破り捨てて、記念写真におさめることを思い立ったわけです。
※ ご注意! 私の「なりすまし」「ニセ者」など、ネット上の悪質な行為にご注意ください。
相変わらず、私(平井宏明・日本再生投資(株)代表取締役社長)になりすまし、ネット上のあちらこちら(例えば右翼・保守系ブログや政治家・芸能人等の有名人のブログ・Twitter)に、私の名でくだらない愚劣な書き込みをするケースが多数発生しています。私に無関係な、嫌がらせ、悪ふざけ、他人を騙る虚偽発言、茶化し、暴言、脅迫など悪質なコメントが多数ばらまかれています。
また、私が他の多くのブログやサイト等で、いわゆる「荒らし」を行なっているとか、多数のハンドルネームを使い回して嫌がらせの書き込みをしているなどの虚偽の情報が流されたりもしています。
私が政治経済社会問題に関してネット上でやり取りがあったのは、竹田恒泰氏とその支援者1名、百田尚樹氏、櫻井よしこ氏、田母神俊雄氏(2014年4月17日分まで。それ以降の書き込みは私の名を騙る偽者です。)、津川雅彦氏(2014年3月25日分まで。)、大日本皇國氏、衆議院議員長尾敬氏の8名のサイトおよび「BLOGOS」,「NEWS PICKS」,「iRONNA」,「THE HUFFINGTON POST 」というオピニオン投稿・議論サイトに限られます。これら以外のサイトには一切関係していませんのでご注意ください。
「 皇居前にて 『 皇室は本当に尊いのか 』」
緊張の撮影状況:「自由作品展」 展示会場にて
次にこの写真を大伸し(全紙)にし額装して、あるギャラリーの写真展に出品することにしました。 もっとも、当初主催者は展示を渋っていましたが。
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